December 19, 2005

夜間取引について

東証の西室会長が個人ネット取引の急増や相次ぐシステム上の問題の発生で夜間取引を検討していることを明らかにしたことを受けて、マネックス証券松本CEOが「松本大のつぶやき」で、非常に判りやすい例えを使って考えを述べています。

元々この問題は以前から松井証券を筆頭としたネット証券評議会が東証に対して要望をし続けていたことですが、マネックス証券は東証の夜間取引に対して反対の立場(単純に反対しているわけではないと思いますが)を取っていることもあって同評議会からは仲間はずれにされています。

同評議会は言います。

「個人投資家の増加は、株式市場を活性化させる一方で、時に株式市場に対して悪影響を及ぼします。特に、インターネット取引を利用する個人投資家の増加は、取引所への注文件数を加速度的に増加させます。我々評議会メンバーの内部データによると、多くの注文が、市場取引終了後から翌朝取引開始までに蓄積され、朝の寄付きに一気に吐き出されます。こうした注文集中は、我々取引参加者のみならず貴社のシステムにも過大な負荷をかけることになります。」

「朝の寄り付きに一気に吐き出されます。」確かにそうかもしれません。

松本CEOはつぶやきます。

「夜間に取引が分散されることによって、日中の負荷が下がるというのが目的と考えられますが、2001年1月から1営業日も休まずに夜間市場(マネックスナイター)を運営してきた当社の経験から言うと、夜間のシェアは日中の1%〜3%程度です。これは当社のナイターが限定的な市場であることが理由とも考えられますが、より取引所外市場が発達しているアメリカに於いても、確か5%に満たないシェアであったと思います。」

確かにアメリカの夜間取引といっても大きなニュースでもあれば別ですが、普段の夜間取引の出来高なんてたかが知れています。

 

同評議会は言います。

「証券会社や機関投資家などはグローバルな取引を通じて、個人投資家が取引しづらい夜間においても取引する機会や手段を持ちます。一方、そのような機会や手段に恵まれない個人投資家は、万一のリスクヘッジも行いづらいという不利な状況に置かれているのです。夜間取引はこのような不利な状況の改善に役立ちます。」

この議論は良くわかりません。グローバルな市場にアクセス出来るか出来ないかは夜間取引とは関係ないと思いますし、市場が開いていなければプロであってもリスクヘッジのしようもないと思います。朝であろうが、昼であろうが、また夜であってもいち早く情報を握ったものが有利なことには変わりないのではないでしょうか。

「(夜間取引は)一部の投機家だけのもの」「(一部の証券会社の)目先の収益目的」等の意見が、既得権益を持つ一部などから出ているようですが、十数年前にあった小売スーパーの夜間営業をめぐる議論と似ています。結果は消費者の意向ということで決着し、コンビニエンスストアが出現するなど消費者の利便性は大いに高まりました。消費者は現在小売の夜間営業に反対しているでしょうか?一部の業者の意見が如何に的外れであるか、この点からも個人投資家の皆様はご理解戴けることでしょう。」

 

松本CEOはつぶやきます。

「しかし夜間市場の最大の問題は、誰が参加者となるかです。日中の取引所においては、ディーラーと機関投資家、プロが多数参加し、プロの取引の中で値段が形成されていき、個人投資家はその中に混じって取引をしています。これは、以前にもつぶやいたことがありますが、築地の場内で、仲卸とプロの料理人・買出人との間で値段が決まっている中に一般の消費者が混じって、同じ値段で魚を買うのに似ています。或る種類の中でいいモノを選ぶのも、これから人気が出てくる或る種類を選ぶのも、一般消費者は自由に出来ますが、値段は基本的に決められています。しかしそれは、個人だけ騙されている値段ではなく、プロもみんなが買っている値段です。」

「築地場内では基本的に「値引き」はありませんから、価格の透明性が保たれています。夜に築地で店を開いても、プロの買出人は来ないでしょう。そこに個人が買いに行くと、プロ中のプロの仲卸と、アマの個人の一騎打ちになります。これは危険です。値段に関する情報と知識の量に差がありすぎます。」

米国の例を見ても、夜間取引に機関投資家などのプロが参加し、活発な取引の中で十分な流動性が保たれ、価格形成がされていく可能性はあまりないように思います。「値段に関する情報と知識の量」に劣った個人同士が価格形成をしていくような市場はギャンブルの世界でしかないのではないかと思います。

個人的な意見としては取引時間をユーロネクストなみに午後5時半までにするとか、それが無理でも米国なみに午後4時までにするなどの対応もあるのではないかと思います。「昼休み」これは論外です。

税制上の問題や法的規制の問題など困難かと思いますが、夜間取引なんてものより、東証など本邦の市場で米国株式の取引やユーロ圏の株式の取引があたりまえのように、本国市場と変わりないくらいの流動性を持って取引が出来るような、そんな市場が出来れば良いのにと思います。

夜は眠りましょうよ。。



tstajik at 23:07コメント(1)トラックバック(1)  この記事をクリップ!

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コメント一覧

1. Posted by Gabbiano    December 23, 2005 09:02
こんにちは。フランス在住の経験がおありなのですね。欧州好きなので、また現地の話題も楽しみにしています。

夜間取引のこと、同感です。
米国市場の夜間取引の株価をみていると、結構とんでもない値段で取引されているような気がします。

あと、以前、水瀬さんのブログにコメントさせていただいたことがあるのですが、私も日本で外国の株式などが現地とあまり変わらない条件で取引できるようになれば理想だな、と思っています。
オンラインブローカーの世界ネットワークみたいなのを構築して、相互に注文を取り次ぐことができるようになればいいのかなと思います。
ポートフォリオは一元管理できますので、いろいろな面でメリットがあると思います。

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