March 25, 2006
ジョインベスト証券の開業
野村ホールディングスの100%子会社ジョインベスト証券が3月15日付で証券業登録を受け、3月27日に営業を開始すると発表したそうで、口座獲得数を2007年3月末で50万口座、経常収支で2008年3月期に黒字化するとし、取引委託手数料については業界最低水準を目指すなどの経営目標もあわせて発表したとのことです。
マネックス・ビーンズ・ホールディングスをTsFund国内株式のコア銘柄として組入れている私としては、既存ネット証券の競争激化で、只でさえ将来的な収益の圧迫が懸念される中で、野村のネット証券参入表明はそれに拍車をかけるものとしてマーケットでも受け止められていますので、自ずと関心を持たざるを得ません。
ロイターの記事によれば、
5月の開業からわずか10カ月後の2007年3月末までに口座数を50万口座に増やす方針を明らかにした。業界関係者からは、獲得口座数や黒字化の目標について「脅威的に速いスピード」と驚きの声が挙がる一方、達成の可能性に懐疑的な見方もでている。
この日会見したジョインベスト証券の福井正樹社長は、マネックス証券<8698>や楽天証券などのネット先行組の口座数が約50万口座であることを例に挙げ「(50万は)最低限のビジネスを進めるための顧客ベースだ」と強調した。
ジョインベストが10カ月で50万口座を獲得するには、月間約5万口座のペースで顧客を取り込む必要がある。業界最大手のイー・トレード証券<8701>でさえ、月間ベースの獲得口座数は昨年10月以降にようやく4万を超え、12月に約6万7000口座になった。このため、後発のジョインベストの目標は「かなり速いペース」(ネット証券幹部)とみられている。 顧客と商品をつなぐキーとなるウェブサイトについて福井社長は「あっという驚きがあるものになる」と表現。使い勝手が良く親しみのあるサイトになると強調したが、具体的なイメージは示さなかった。魅力あるコンテンツやサービスを武器に野村証券からの顧客流入は抜きにしても、来年3月末までに50万口座は達成できるとした。
とのことですが、野村ですから「1兆円ファンド−ノムラ日本戦略株ファンド」同様、その豪腕で無理やりにでも達成させると思います。
同時に業界が注目するジョインベストの委託手数料率は「業界最低水準を目指す」との方針とだけ示したとのことですが、委託手数料の値下げ競争については、以前より私はマネックスが消極的な姿勢を保っていることはマネックスが資産管理型ビジネスを目指す以上、正しい経営判断だと思っています。
未だ端緒についたばかりである個人金融資産の預貯金から投資へという大きな流れの中では、今後、投資に関するリテラシーの向上と相俟って、日々トレーディングを頻繁に行うよりも、じっくりと腰をすえた投資で資産形成を図るという個人が増えてくると思います。
もちろん、顧客にとって手数料は安いに越したことはないのですが、そういった個人の大きな投資姿勢の変化の中で(あくまで私の予想ですが)、たった数百円の手数料が安いということが何か意味を持つのか甚だ疑問です。
むしろ、野村のネット証券参入の怖さは手数料の安さなどではなく、野村ホールディングスの持つ商品・サービスの総合力にあると思います。只、野村證券という対面取引中心の部分とその補完的位置づけとされる「ホームトレード」、そしてジョインベスト証券とグループの中での位置づけがはっきりしていないように思えるので、なんとも評価のしようがないのですが、いずれにしてもここ数年のうちに米国のネット証券がそうであったように、業界内での淘汰と再編があると思います。
