ロイターの外為マーケットアイの記事で知ったのですが、10月31日の午前5時前にTFXの南アフリカランドのレートが市場実勢と大きく乖離したものがマーケットメーカーから提示され、これによりくりっく365取り扱い会社に口座を保有する顧客が強制ロスカットの対象になっているそうです。

 くりっく365取り扱い会社の各ホームページを見てみましたが、この件に関して、まだ各社の対応が分かれているのか、

 イーバンク銀行では「平成21年10月30日(金)に南アランド/円の取引において、1南アランド=8.415円の安値をつけ終値が1南アランド=8.415円となりました。本取引レートは、東京金融取引所が提供している正式な取引レートであり、変更等はございません。従いまして、ロスカットについても、通常のルールに則って執行されており、ロスカットの取消等は行っておりません。」というお知らせが出ており、

 ユニマット証券ではTFXのお知らせにリンクする形で「平素はユニマット証券くりっく365をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。10月30日の取引終了間際に発生しました、 南アランド/円の急落について、東京金融取引所より通知が出ましたので、お知らせ申し上げます。 」としています。

 その他の取り扱い会社のホームページではお知らせを見つけることが出来ませんでしたが、肝心のTFXが「10月30日付の南アフリカランド/日本円取引において、取引終了間際の4時59分についた値段は、その時点において、市場動向からマーケットメイカーが提示した市場レートで
あり、システム障害等によるものではありません。ご理解の程宜しくお願い致します。」としている以上、TFXに見解を求めていた各社もこれが市場レートであるとTFXが公式に認めている以上、ロスカットの取り消しや損失補てんは困難とのことです。

 マネックスFXからとったチャートでは安値は10.73となっており、8.415とはあまりにもかけ離れています。

ZAR

 ロイターの記事によれば、

「TFXの公表資料などによると、海外市場の終盤にあたる日本時間31日午前5時前、直前まで11円台でもみあっていた「くりっく」の南アランド/円レートは一気に8.415円まで急落。きょう2日は11.45円で取引が始まり、一時11.58円まで上昇した。」「ロイターが金融機関から提供された対ドルレートを元に算出したレートは31日午前5時過ぎまで11円台のもみあい。この日に入って一時10.74円付近まで下落した。」「外為市場では通常、取引量の少ないクロス円のレートは対ドルレートを掛け合わせる形で算出している。前週末からきょう午前にかけてのドル/円とドル/南アランドの値動きから見ると「どう計算しても安値は10円台」(外銀)という。」

 TFXのマーケットメーカーは

 コメルツバンク・アクツィエンゲゼルシャフト(コメルツ銀行)
 ゴールドマン・サックス証券株式会社
 ドイチェ・バンク・アクチエンゲゼルシヤフト(ドイツ銀行)
 野村證券株式会社
 株式会社三菱東京UFJ銀行

 の5社で常識的に考えれば、ここまで市場レートとかけ離れたマーケットメークをするというのはいかがなものでしょうか。確かにCITの破綻やシティーグループの巨額損失報道などがあった後ですから、市場動向から行ったと言えばそれまでですが、市場実勢から著しく乖離したレートの提示はマーケットメーカーとしての資格を問われてしかるべきではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。